INTERVIEW 03社員インタビュー

福田 浩子
建築設計本部
2011年入社

STORY01
鉄道構造物をはじめ、社宅、店舗、オフィスなど、
手がけられる建築物は多彩

私は計算が好きだったこともあり、学生時代は構造設計のゼミに在籍していました。当社を就職先として選んだのは、鉄道構造物では構造設計のノウハウがとくに生かせると感じたからです。また、JRというバックグラウンドを持ち、安定した経営基盤があることも魅力でした。
建築設計本部には私が所属する構造設計グループのほかに意匠設計、設備設計のグループがあります。グループで業務を行っているので1から10まで全てを一人で設計することはありませんが、構造設計チームの場合、知識と技術を身に付けるために最初の3年間は自ら構造計算書や構造図を作成します。
設計内容としては駅舎や自由通路のほかに、高架下の店舗や社宅、オフィスなど、さまざまな構造物があります。鉄道構造物の設計では一般的な建築物と異なる、鉄道ならではの配慮が必要です。例えば、駅の躯体(構造物)などはむき出しの状態になるため、耐候性や見た目も考慮しなければなりません。

また、列車の運行を妨げないようにすることも重要です。夜間の限られた時間内に施工するための構造の工夫やできるだけ線路に影響を与えないようにするため、大規模な地盤掘削を伴う地中梁がない構造物を設計するケースがあります。そのため、安全性を確保するために様々な鉄道ならではのノウハウが必要になります。

STORY02
文化財や安全基準の厳しい線路上空の建築物など、
特殊な構造物を設計できるのは当社ならでは

面白い案件としては、2016年に完成した京都にある鉄道博物館の扇形車庫を耐震補強したことがあります。日本最古の鉄筋コンクリート造の車庫として国の重要文化財にもなっている建物であり、耐震補強の計画にあたっては文化庁や大学の教授などとも協議を重ねました。
設計の際には、単に耐力を向上させるだけでなく見栄えにも考慮する必要があり、文化財の価値を損わない耐震補強が行えるよう、昔の図面を見直し、建築当初の形状を踏まえながら仕事を進めました。当時の構造物は現代のものとは構造がまったく異なっており、いろいろと興味深い経験を積むことができました。

また、宝塚線の駅のバリアフリー化も勉強になる仕事でした。これは、毎日お客様が利用されている既存の駅にエレベーター付きの跨線橋を設置するというプロジェクト。ホームという限られたスペースに必要な設備を工夫して配置するやりがいのある仕事であり、この案件で初めて線路上空の構造物に携わりました。
耐震性など、安全面の基準も一般的な構造物に比べて高く、各ステークホルダーに対して構造の合理性やコストの適切性も説明しなくてはなりません。現地調査や行政協議などで外に出る機会も多く、コンサルタントとしての働き方を身に付けるうえで、とても良い経験になりました。

STORY03
各部署や協力会社と連携しながら、
バランスの取れた働き方をしていける環境

鉄道の建築設計の特徴の一つは、土木や電気といった他部門との連携が密なことです。高架駅の場合などは「高架本体部分は土木、そこに付く屋根は建築」というような役割分担があるほか、列車に電気を送る架線支持物では「電線は電気、それを駅舎の建築躯体で支える」といった連携があります。
また、出張が多いのも設計事務所とは違う特徴といえるでしょう。設計室にこもりきりではないので、息抜きにもなります。「コンサルタント」と聞くと、ハードワークをイメージするかもしれませんが、当社の場合は職場の環境も極めて良好です。
グループで連携しながら業務を行っているので、残業時間が膨大といったこともありません。JRグループの企業としてコンプライアンスが徹底されており、福利厚生などの待遇面も充実しています。

また、産休・育休などの制度も整えられており、育休中の社員や子育てしながら時短勤務をしている社員も複数います。男女関係なく、腰を落ち着けて長く働いていける職場といえるのではないでしょうか。

STORY04
100年単位で人々の暮らしを支えていく駅を
自分の手で生み出していくやりがい

当社で活躍していきやすいのは、コミュニケーション力の高い人だと思います。コンサルタントでの仕事は図面に向かっていることも多いですが、それよりもグループや他部門と連携したり、発注者や協議会に対してプレゼンテーションしたりすることがメインになるからです。
また、さまざまな関係者間を調整するにあたっては、粘り強さが必要とされる部分もあります。人と話すことが好きで、仕事に真摯に向き合っていける人ならきっと活躍していけるのではないでしょうか。

一昨年の春には、入社して最初に手がけた新駅が開業しました。アストラムラインとJRの線路を交差させ、そこに乗り換えができる新しい駅を作ったプロジェクトです。当時は苦労して設計し、できたときには「やっとできた」とホッとしたことを憶えています。 完成した駅を見に行くと、当時の想いが蘇ってきました。図面でしかなかったものが実際に形になっているのを見るのは、やはり感慨深いものがあり、多くのお客様の乗り換えが便利になり、まちづくりに貢献できたんだと実感できました。イメージしていたのとはディテールの印象が少し違っていましたが、それも勉強の一つとして今後の設計に生かしていこうと思います。

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