STRUCTURE維持管理・保全技術

構造物をより安全に、永く使うために

私たちは、鉄道構造物の調査・診断、こ線道路橋の点検・診断後の補修・補強設計などの維持管理業務により、社会資本の長寿命化に貢献しています。また、線路近接工事に伴う計測管理方法を提案・実施し、鉄道の安全・安定輸送に貢献しています。

計測管理:近接工事の影響診断と安全管理

供用している鉄道構造物や線路直下の構造物、線路に近接して行う工事途上の線路影響を計測管理し、安全の確保に寄与します。
特に、シビアな管理が求められる鉄道におけるノウハウを生かし、接触方式(沈下計、傾斜計、変位計等)から非接触方式(トータルステーション、レールウォッチャー※、カメラによる動的変位計測等)まで、現場の状況に沿った計測方法を提案し、計測管理を実施します。

鉛直変位計計測結果例(薬液注入時)
鉛直変位計計測状況

特殊技術

カメラを用いた自動計測管理システム レールウォッチャー

レールウォッチャーは、レールや構造物に測定用ターゲットを取付け、カメラで撮影することで変位を計測する自動計測管理システムです。
計測時に線路に立入ることなく、24時間連続的に軌道等を計測することにより、列車運転の安全確保に寄与しています。

特徴
  1. 線路内の人力による検測作業が減少し、触車事故等のリスクを低減します。

    従来の人力による検測作業
    >
    レールウォッチャーによる自動計測
  2. 軌道に限らず構造物など多様な変位計測が可能です。

    分岐器部計測事例
    軌道と高架橋の同時計測事例
    トンネル内計測事例
  3. 人力による検測作業が不要となることで省人化、コスト削減が期待できます。

  4. 左右レールのターゲットを取り付けることで、高低・通り・水準・軌間・平面性が計測できます。

  5. レールにターゲットを貼り付けるのみのため、軌道保守作業への支障が少ない。

  6. 計測WEBサイトで現地の状況を画像で確認できます。

主な業務実績

道路構造物の維持管理

測量、点検・調査によって道路構造物の基礎データを収集し、これまで鉄道分野で蓄積してきた維持管理技術を応用して、より安全で効果的な補修・補強設計を行っています。

●道路構造物の測量、点検・詳細調査及び補修・補強設計

道路橋の点検・調査状況

跨線道路橋の点検・調査状況

梯子、橋梁点検、高所作業車等を使用し、近接目視点検によって損傷状況を把握し、構造物の健全度判定を行います。

●跨線道路橋の補修・補強工事の施工計画

施工計画・仮設計画

線路内測量・調査状況

線路内測量・調査状況

施工計画・仮設計画

跨線道路橋は鉄道上空に架かっていることによる様々な課題が発生します。
鉄道運行を維持しつつ、安全・安心な跨線道路橋の補修・補強工事を完遂するためには、鉄道の特情に配慮した施工計画が必要となります。
私たちは実際に線路内に立入って測量・構造物調査をすることで精度の高い施工計画を行うことが可能となり、様々な課題を解決と安全な補修・補強工事をサポートしています。

構造物の調査・診断

適切に建設された構造物でも、経年による劣化などにより変状が発生したりその寿命が短くなることがあります。
構造物を永く供用し続けるためには、定期的に点検し必要により適切な修繕などの対策を打つことが最も重要になります。

コンクリート構造物の調査・診断

橋りょう・トンネル覆工を問わず、あらゆるコンクリート構造物の材質劣化や構造物の状況を調査・診断し、劣化原因の特定と必要な場合はその対策方法などを提案します。

鋼構造物の調査診断

橋桁をはじめとする鋼構造・合成構造物の状況を調査し、健全度を判定し腐食・亀裂などの劣化原因の特定を行いその対策方法などを提案します。

災害で変状した構造物の調査・診断

河川の大出水による橋脚の変状により湾曲した軌道
コアボーリングによる橋脚と支持地盤の調査

構造物が置かれている自然環境によって、大雨・地震などで想定しなかった構造物の変状が起こることがあります。この時には、迅速に構造物の被害状況や安全性を診断し、必要な対策方法などを提案します。